「東京コレクション・Ⅱ」 | 古典漆芸技術 夏未夕漆綾

2018/08/22 06:57

また「FI世代」とは口コミ世代、つまり携帯を媒介として広がっていく、20代から30代前半の若い女性を指した言葉で、蛯原友里や、押切もえなどはまさにこの世代を代表しているが、FIのFはfe_Male(女性)のFを、そして1はこの世代に付けられた区分番号であり、東京ガールズコレクションが始まりとなった為それを指して区分1となったものだ。


そして「小6サイズ」は、基本的に「J世代」の圧倒的な支持によって発生した消費区分だが、その実態は小学生高学年女子のサイズで想定された可愛い洋服は、身長150cmから160cm未満の小柄で細身の女性にぴったりのサイズとも言え、凝ったデザインに手ごろな価格感があり、例えば「セオリープチ」などのスーツは大人物の売り上げの50%に迫る勢いがあった。


こうした点に加え、そのスタイルと言う点では「アクセシブル・ラグジュアリー」つまり手の届く贅沢感を味わってもらうためにアメリカの「コーチ」などが始めた戦略があり、デパートのバーゲン商品と、海外デザインブランドの中間を狙った価格帯の商品もまた発生してくる。
有名なものではメイドインジャパンとして品質を守りながら、しかし価格では手頃感があるサマンサタバタなどがあるが、こうした傾向は「セレブ感」とも関連性がある。


同じようにクラシコ系、これは主に男性を中心としたものだが、クラシコとはイタリア語で「最高水準の」と言う意味があり、その名の通りイタリア製の、質の高いメンズファッションを展開している「20社前後のメーカーグループを指していて、例えば「マリネッラ」のネクタイ、「ルイジボレッリ」のシャツなどが、こうしたスタイル区分に相当している。


どうだろうか、こうしてみて見ると、パリコレに日本人のデザイナーが少なくなった大きな背景には、流通と言うものの変化が現れていないだろうか。
つまり従来のように海外でショーを開いて、それで有名になって成功すると言う図式は、もはや過去のものとなってきているように思えてならないが、そうした背景にあるものは消費者の動向であり、オンラインショッピングや携帯サイトの普及に伴って、見かけや従来の権威に対する憧れが無くなってきていることに、その原因があるように思える。


つまり発達した情報に、もはやパリコレなどのファッションショーが付いていけなくなって来ているのであり、こうした観点から言えば、日本のデザイナーはパリコレに出れなくなったのではなく、出なくなった、言わばこうしたファッションショーが過去のものになりつつある、と言うことではないだろうか。
そしてこうした傾向を追うように、海外ブランドが銀座に出店競争を繰り広げてきたが、「グッチ」「ジョルジオ・アルマーニ」「エルメス」などの有名ブランドが、東京都が定めた建築容積率の緩和政策などによって、その出店が容易になったことと重なり、結果としてパリコレから逃げていった日本のマーケットを、追う形となったことは面白い傾向だった。


つまりファッションの最前線が望んだものは実は流通の改革だったのであり、こうしたことが早々に起こっていたことは、流石に流行の先端と言うべきだったが、このことに気づかない日本の老舗マーケット、つまりデパートの再編成が起こるのは実に、ファッション界の傾向から少なくとも3年は経過した頃だった。


情報速度の高速化は、結果として消費者とメーカーを近づけ、そこからより品質の高いものが販売収益を上げる仕組みへと変化してきた。
また従来であれば、ある種言い方は悪いが、どうにでもすることが出来た個人消費者は、もはやどうにも出来ないほどの存在に成長したこともまた事実である。


昔は良かった・・・、そう言うことを言っている者は淘汰されるのが、最前線の世界の宿命と言うものである。