2019/03/31 06:14

日本の国家公務員数は検索すると理解できるかも知れないが、結構分かりにくい分類がされていて、分かり易い資料が出てくるのはグラフが一枚だけ、それによると現在の国家公務員数は32万人と言う事になっているが、これには自衛隊が入っておらず、また出先機関や法人化された大学の教職員などは入っていない。
こうしたことから正確な数字は不明なものとなっているが、公務員と看做される者を全て含めると、実は100万人を軽く突破している可能性が高い。
 
また地方公務員数に付いても、現在は最大だった320万人を下回る280万人となっているが、これも現実には公務員と看做される者を含めると、全く減少しておらず、結果として現在も事実上の地方公務員数は320万人のままであり、こうした資料も検索では中々分かり易いものが出てこない仕組みとなっている。
 
日本の労働人口は6252万人となっている。
しかしこのうち665万人は医療福祉関係の職業であり、電気通信産業、郵政事業など国家や行政と強い関連性のあるものまでが、名目上一般企業とされていることを鑑みるなら、実際に国家や行政の下部組織的企業ではない企業のへの就職者は、5000万人前半でしか無い可能性がある。
 
つまり日本の人口1億2756万人の内、一般企業労働人口は5200万人しか存在せず、1000万人が公務員かそれに順ずる立場の状況に有ると言うことで、これは単純に考えても、日本国民の10人に1人が公務員かそれに順ずるものであると言う事になり、冒頭の話では一家に一人の行政サービスだったが、事実上現在でも2家庭に1名の行政サービスが存在しているのと同じなのである。
 
そして行政サービスとは本来生産性とは逆の発想のものであり、日本は労働人口の5分の1ないし、6分の1をこうした生産性の無い労働サービスに裂いているのだから、その生産性が悪いのは当然と言え、おかしな話だが、今まで散々日本の財政赤字が指摘されながら、消費税の増税議論は湧き起こっても、一向に公務員数の削減や議員数の削減が議論として定着しなかった背景には、評論家や識者と言われる者の殆どが、大学教授やその関係者だったからであり、これでは当然公務員の削減論など出てこないはずである。
 
我々は識者や評論家を公平中立なものとして概念し続けてきた面があるが、それは確かに太平洋戦争終戦後の暫くはそんな部分も有っただろうが、現在に至って誇りを失った大学と、そこに在籍する職員の意識低下は「自分達の身を守ること」にしか繋がっていないのであり、この点で言うなら泥棒に防犯についての意見を求めているようなものだったと言うべきだろう。
 
従ってもはや評論家や識者の増税論はつまり、こうした立場の者が理想とする議論でしかなく、そこに国家や国民に対する意識などは存在していないことを、民衆は自覚する必要があるかも知れない。
高齢化社会が進行する現実の中、社会保障制度の改革を巡って、昨今あちこちの大学教授や准教授が消費税の増税論を持ち出しているが、これは誤りである。
 
国家支出を鑑みるとき、真っ先に考えなければならないのは「生産性の無い支出」、つまりは行政サービスの人件費と、国会議員や地方議員の報酬削減か、無報酬化であり、これが政治家の国家国民に対する責任と言うものである。
その議論が無く、なし崩し的に消費税の増税を謳う者は、基本的に自身の保身しか考えていない者であり、そのような者があたかも知識人、識者として公に意見を言うなど、まことにおこがましいことでしかない。
 
更にこれは国民の目を欺いているとしか考えられないが、労働人口に措ける公務員やそれに近い形態の労働従事者の比率は、名目上の公務員数が減れば、一般労働人口にこれが組み入れられると言う仕組みであり、これによって我々国民は実際よりも水増しされた一般労働人口数を、労働人口と錯誤させられている可能性がある。
国家統計による生産性を有する労働人口より、実際の生産性労働人口は6分の1少ない可能性が出てくるのである。
 
この国を救うのは政府でも政治家でも官僚でもない。
最高学府の知識人でもなければ、突然現れる「英雄」でもない。
日本を日本で有らしめることができるのは日本国民、私達自身でしかない・・・・。

※ 本記事は2011年に執筆されたものです。