「消失する異常」・2 | 古典漆芸技術 夏未夕漆綾

2019/05/16 06:05

この事は2007年付近に発生した能登半島地震、中越沖地震が如実にこれを物語っているが、従来エネルギーが加わるプレート境界、例えば日本海溝などのエネルギーが、放出期間を過ぎながらそのエネルギーが部分的に日本海側で放出される現象となった上で、2011年3月11日には日本海溝がエネルギーの放出を行なっている。
これはどう言う事だったかと言うと、従来研究者の間で考えられていた程地球の地殻エネルギーは小さくないと言うことであり、しかもそれが通常の人間界の力学法則では計算しきれない程複雑で、普遍的法則のないものだったと言う事である。

2011年3月11日に発生した日本海溝地震は、もしかしたらこれまで日本人が周期と信じていたものを、幻想の彼方に追いやる事になるのかも知れない。
最も近いところでは東海地震も既にその周期に達していながら、未だに地震が発生しておらず、この事は関東地震も同じである。
それに加え、日本海中部震源域や、北海道南西沖震源域も静かな事が気にかかる。

場合によっては1940年代に震源域がエネルギーを放出した南海地震震源域など、100年から150年周期だから、これで少なくとも30年ほどは安全だと思っていたら大きな間違いで、東南海、南海、東海地震が一挙に発生し、その1年後には関東大地震と言う可能性や、先に関東大地震が来て東南海地震、東海地震が引き続き発生する可能性も否定できない。

2011年3月11日の日本海溝地震は、日本の地震に関する科学的な統計や、力学関係上の統計周期予測をどこかでは木っ端微塵にしてしまった。
これからは科学的な周期予測、観測データの予測は殆ど役に立たない、つまりは気象庁や大学の研究機関の見解は全く役に立たない時代がやってくる、いやもう既にそうなっているのかも知れないが、これに関しては民間の地震予測も同じ傾向にあり、何らかの現象から因果関係を求める形式にも、決して安定した因果律は存在しない。

地震雲による地震の予知も、その実同じような雲が出ていながら地震が発生していない時の方が圧倒的に多く、しかもこの地球が始まって以来、全く同じ形の雲が現れたことなど1度も有り得ない。
この事から、それはいつも希望的観測上にある、個人の第六感によって支えられるものでしかなく、基本的には「普通」が「異常」の状態であることから、それは統計的にも実証されることがない、つまりは「何となく嫌な予感がする」の範囲なのである。

またその他動物の異常行動なども、例えば日本海溝地震以前は、地震が発生する付近で深海魚が上がってくるなどの現象が発生したものだが、日本海溝地震が発生する2年ほど前から、主に海域での動物の異常行動は日本海側に多く発生していて、その傾向は未だに収まっていない。
つまりここで考えられることは、エネルギー蓄積が為された地殻の範囲が広い場合、実際の震源域から離れた場所でも魚介類、海草の異常があると言うことであり、この点では従来のセオリーで考えても、発生時期も発生箇所もわからなくなると言うことになる。

更に地震発生前の現象から地震を予知する場合、地震ごとに少し違った前兆現象が現れ、例えば明治三陸地震の時はうなぎが異常に発生し、同じことは1923年の関東大震災にも起こってくるが、関東大震災では他にもイワシの大群が川を遡ってくることになり、これが1995年の阪神淡路大震災の時はボラの大群が川で発見されると言う具合に、地震の前兆現象と言っても全ていつも同じ異常現象ではないのである。

同じように太陽や月、星に異常が現れる場合、太陽や月を虹が囲む場合でも、紫色に見える場合でも、これは同等の現象が急激な気象の変化でも発生し、星が近くに大きく見える現象に付いても、明治時代までは大きな地震の発生に伴って現れる現象だったが、どうもこの30年ほどは、それほど大きな地震でなくても星が大きく見える現象が現れている。

これらの事から、民間の地震予知、「宏観地震予知」でも、その異常現象は広く長く統計として考えるなら、科学的解析と同じように「異常が」「普通」に呑み込まれていく摂理からは逃れられないのかも知れない。
しかしこうして科学的解析による地震予知と民間の地震予知を比べるなら、どちらかと言えば科学的解析の方により大きな「混沌の逆べき分布」が来ているように思え、民間の「宏観地震予知法」のそれは、科学的解析法より僅かにその濃度が薄いように感じられる。

これはおそらく冒頭にも述べたように精々が100年程の科学的解析法に対し、人々の生活の中に息づいてきた、民間の危険察知法の歴史の長さに起因しているのかも知れない。
即ち時間経過の中で長く存在するものは、それより短い時間経過に在るものより、常に確率が高い・・・。

1994年6月、細川政権が崩壊し羽田政権も崩壊し、社会党と自民党の連立内閣と言う信じられない政権が誕生し、この翌年1995年1月17日には「阪神淡路大震災」が発生している。
そして現在の混乱は当時の比ではない。
このことを考えると、何となくこの先がとても恐ろしいが、ちなみにこうした政変と地震発生の因果律に関しては科学的解析、民間の地震予知法よりも、相対的にまだ高い確率に有るような気がするが・・・・。

※ 本文は2011年、yahooブログに掲載した記事を再掲載しています。