2019/05/17 06:05

更に事例としては一番分かり易いが、2007年7月16日10時13分に発生した新潟中越沖地震では、柏崎市在住の71歳の男性が、やはり前日遅くまで親戚と酒を飲んでいて、当日この時間うたた寝をしていたが、まるで耳元で大騒ぎしているか、やけっぱちになったようにチュン、チュンと何度も鳴く雀の鳴き声で目を醒まし、その直後大きな揺れに襲われていて、同じようなケースは能登半島地震でも、こちらは鶯の鳴き声が大きく聞こえて目を醒ました団体職員などの事例がある。

大変興味深いことだが、地震発生時に措けるこうした事例を考えるに、一つは地震の発生時に地震そのものが作り出す空間上の特殊状況と、人間の脳の働きがこうした現象を発生させる可能性の2つが考えられる事になるが、どちらにしてもこの現象は最大限実際に発生している音声を利用している事であり、そうした現存する音声を拡大して生体の目を醒まさせている点は、その背後にいつかどこかでは「脳がごまかしている部分」が存在することを想起させるものが有り、実はこうした事例で周囲にこれと言った実存音声が無い場合、脳は夢の中の情景を使って、そこから大音量を発生させて目を醒まさせる場合も報告されているのである。

それとこうした現象の解明に関して、地震が発生させる空間的特殊状況と、脳機能の2つの可能性を指摘しなければならないのは、まことに少ないケースだが、電話をかけていて地震が発生した場合、実は電話をかけている側、これはつまり実際に揺れている地域から、揺れていない地域の人へ電話をしている時だが、揺れていない地域の人は、その電話の向うで何かが崩れているような「ガラガラ」と言う音を聞いている。

しかし実際に揺れている側にはこうした音は聞こえていないと言う現象が発生する。
地震が起こる前には確かにゴーと言う音がし、揺れている最中は物が落ちる音などで、まことに凄い音がしているように感じるかも知れないが、地震が今まさに発生している地域のその瞬間は、実は無音で有る可能性が高いのである。

にも拘らず電話の相手には「ガラガラ」と言う音が聞こえていることから、この場合は地震のエネルギーが何らかの形で電話と言う電気信号に干渉している可能性があり、これを脳機能として考える事は難しい。
ゆえに眠っている生体を起こす大きな音声も、絶対的に地震エネルギーの脳内電気信号に対する干渉作用を否定できるものでは無いが、地震発生時には脳内の電気信号も特殊作用を起こし、電話などの電気信号には地震エネルギーが直接関与すると言う具合に、これらの現象は始めから一つの素因で説明できるものでは無いのかも知れない。

さて、今夜ももう遅くなってしまった。
本当は本文中に出てきた「脳がいつかどこかでは何かをごまかしている」と言う事に付いて、やはり地震発生時に起こった不思議な話などを交えて解説できたら良かったのだが、それはまた次回と言う事で・・・。


※ 本文は2011年8月24日、yahooブログに掲載した記事を再掲載しています。