2019/06/24 20:28

あらゆる確率の世界はその原因が2つ以上になると確率の概念をを失い、ここにその原因の一方が未知なるものを包括している時、そもそも確率は存在していない。

またこの宇宙に措ける確率の平均は「ランダム」で有り、尚「ランダム」は「均一性」と言う法則の中にある事から、物理学的にはこの宇宙全体では「ランダム」と言う確率的平均値を持っていても、それはあらゆる「非ランダム」の概念的平均のことであり、この宇宙には「ランダム」と言う法則性すらも存在する事が出来ない。

従って我々人類社会が持っている確率や統計上の傾向と言うものは、「非ランダム」の部分を捉えて一時的な傾向を見ているだけであり、あらゆる統計上の傾向は、時間経過や空間的な相異で特殊ケースが発生し、最後はそうした特殊ケースが統計上の基本数値を上回り、やがて平均的ランダム数値に近付いていく。

サイコロを振って1の目が出る確率はランダム数値の中では決定している。
しかし10回サイコロを振って、最初の3回に連続して1の目が出ることは有り得る。
この場合サイコロを振る回数が増えるに従って、決定している1の目が出る確率に近付いていくが、1の目は常に平均に現れて来ないことから、その一時的な時間軸を切り取るなら、そこに本来存在しているはずの無い、1の目が出る傾向のようなものが概念されるようになる。

おかしなものだが、確率的平均値は確かに存在していながら、そこには空間と時間によって常に「非ランダム」が存在する事から、全体的には「ランダム」が存在しても「ランダム」は有り得ず、常に実態は「非ランダム」の中にある事になり、これは生物界や人間の経済の仕組み、気象や災害でも全く同じ原理性を持っている。

それゆえ人間の持つ確率と言う概念や統計の概念は、時間経過や空間的な相異によって必ず不安定な状態にあり、ここに一つの確率や統計を秩序と考えるなら、その秩序は時間経過に伴って崩壊し、そこに現れるものは新たな「非ランダム」、つまりは秩序の種と言うものであり、この秩序の種がやがて大きくなって一つの秩序を形成するも、またそれは「ランダム」と言う波に洗われ、ランダムの中にある次の「非ランダム」によって崩壊させられ、その崩壊を導いたものが次の秩序となって行くと言う連続性を持っている。

つまり我々が持っているあらゆる気象学的統計、または地震発生時に措ける物理的統計数値も非科学的統計数値も、同じようにいつかはランダム数値に近付き、それは統計的傾向を失っていくものだが、ここに宇宙の時間軸の概念を数億年単位とするなら、人間界が持っている時間軸の概念はせいぜいが数千年単位であることから、こうした短期の時間であれば「非ランダム数値」を確率や統計上の傾向とすることもできるが、冒頭でも述べたように、確率は回数が増えていくに従ってランダム数値、「平均確率性」へと変化していく事から、統計の持つ基本性は1回事象が増えていくごとにその精度を少しずつ失って行く。

気象を例に取るなら、せいぜいが数十年は同じ傾向の気象条件が続いても、やがては「かつて無い猛暑」や「かつて無い気象条件」、それに「かつて無い強大な低気圧」が発生してきて、その結果過去のデータ的数値の重要性は、おそらく数千年単位では皆無になって行く。

同じように地震発生時に措ける予測に関しても、1回大きな地震が発生する度に、その地震は特殊な地震だったと言うことになるのだが、これは地震の持つランダム数値近似速度が気象よりは速い、言い換えればそれだけ未知の部分が多いと言うことになるのである。

ゆえに地震発生予測は毎回ごとに過去のデータとは僅かに違った傾向を示して行き、これは科学的解析も非科学的解析でも同じ事で、科学的解析では数値変化が起こってくるのに対して、非科学的解析では事前現象に誤差が生じてくる。

大正時代の関東大震災の時は魚の異常も多く確認されたが、例えば地震発生前、川を遡ってきたのはイワシだった。
しかしこれが北海道南西沖地震の時はヒラメの大漁になり、阪神淡路大地震の時はボラが川に集まっていると言う具合で、その事前現象では同じ魚でも、種類がそれぞれに違っているのである。

また過去、私は地震に関して「呪いの人形」の例を2回引用しているが、人間は全ての事象を化学的解析に頼ろうと考える傾向にあるが、本来動くはずの無い人形の着物の袖が動いたとして、この場合科学的解析では「風」をその原因とするのが一般的だが、同じ事象が何万回と繰り返された場合、それが全て風のせいだと言い切ることもまた困難になって行く。

自然に起こる現象の全てが科学的解析可能ではない事から、例えば数万回に一回は呪いで人形の袖が動いていても、それが呪いだとは判断できないものなのであり、こうした事態ではその理由を探る事よりも事実に重要性があり、地震発生前の動植物の異常行動を鑑みるなら、そのことの原因を探ることは困難だが、その事実が有って何が起こったかは分かっている訳だから、ここから統計的確率を導き出す事は可能ではあるが、こうした確率も回を増すごとに非統計性、ランダム方向に動いていく事を忘れてはならない。

                    「ランダム33%」・2に続く