「見えない質量」 | 古典漆芸技術 夏未夕漆綾

2019/07/22 05:07

missing mass」若しくは「dark matter」とは基本的に「見えない何か」を指しているが、宇宙に存在する銀河の質量は、それを構成している光の明るさから推定される数値より、銀河の運動から求められる質量の方が10倍から100倍大きい。

例えば渦状の銀河でも、そこに存在する星の数から推定される質量より、銀河の回転速度から求められる質量の方が遥かに大きい。
このことから我々が見る宇宙は、少なくとも質量的には目に見えるものと、見えないものとによって構成されている事が分かっている。

つまり暗黒の宇宙の、暗黒の部分は「無」では無いのだが、こうした目には見えない質量のことを「missing mass」または「dark matter」と言い、WMAPなどの観測結果から、こうした「見えない質量」が占めるエネルギーは、全宇宙のエネルギーの23%に及ぶとされ、それは一体何なのかと言うと、まず質量だけが存在し光が無い「ブッラクホール」、それに微小天体、水素ガスに正体不明の粒子などの存在があげられている。

ちなみにこうした中から「銀河」だけを見てみると、「銀河系」の質量は凡そ太陽の2兆倍の質量を有するとされるが、これだと銀河を構成している星の数から推定される質量の10倍近い質量になってしまう。
このことから実に銀河系では全質量の90%が見えない質量で構成されている事になる。

私たちの感覚では、銀河系の星々のその間には空間が広がっているように考えてしまうが、少なくとも質量的な感覚で言うなら、アメーバーのように寒天質のものの中に、光輝く星が埋まっている、そんな感じになるのかも知れない。

そして私たちが宇宙の光、恒星との距離を推し量る単位は「光年」だが、これは光が1年かかって届く距離で、約9兆4600億km。
私たちが夜空を見上げて見ている星の光は、一番近い星でも数年前にその星が発した光であり、これは最も近い恒星である「太陽」でも地球からの距離は1億5000万kmであり、厳密に言えば今見ている太陽の光は今の太陽ではない。

1億5000万kmを光の速度30万kmで割った数値、約8分19秒前の太陽の姿なのであり、更に厳密な事を言えば、こうした恒星の光の元を正せば、太陽などの中心部で起こっている水素核融合反応によって発生した「ガンマ線」である。

この「ガンマ線」は太陽中心部で発生して、太陽表面にまで届くには少なくとも300万年から1000万年かかる。
それゆえ私たちが今見ている太陽の光は、少なくとも数百万年前の「動機」が有って始めて成立している光なのである。

金環食も大変珍しいが、私たちは毎日数百万年前の「動機」が有って今の太陽を見ている。
つまりは、私たちはこの瞬間も奇跡を見ているので有って、今もこの奇跡の中に存在し続けている・・・。