「魚の大量死と地震」 | 古典漆芸技術 夏未夕漆綾

2019/09/12 16:21



2019年830日、北海道斜里町の奥蘂別(おくしべつがわ)支流の別海川(べっかいがわ)が交差する付近1,5kmに渡って、およそ2500匹のカラフトマスやサケが死に、幅30m、水深50cmの川底に沈んでいる事象が確認された。

 

また2019910日茨城県南部地方、新利根川、破竹川では中国原産の大型外来淡水魚、ハクレンと見られる魚の大量死が確認されている。

ハクレンは体長50cm以上の魚で、大きいものは1mを超える。

この魚が川で腹部を上にして、苦しそうに泳いでいる現象が最初に発見された後、長峰町、半田町、八代町では合計で100匹以上のハクレンが死滅していた事が確認された。

 

一般的に魚の大量死は農薬などの薬物、異常高温、微生物の異常な繁殖、酸素不足などが原因で起こるとされているものの、その実多くの現象では原因が特定されていない。

魚の大量死は常に「原因不明」なのである。

 

こうした中で過去、大地震の前にも頻繁に魚の大量死の記録が出てくる。

例えば1923年の関東大震災の前には、大量のウナギが穴に入って苦しそうにしている現象が確認されているし、同じ記録には千住大橋付近で大量のメダカ、フナが口を開けて苦しそうにしている現象も残っている。

 

2007年の能登半島地震では、地震発生1ヶ月前からハリセンボンが大量死し、1896年の三陸地震では3ヶ月も前から、大量のウナギが死んで三陸海岸に打ち上げられていた事が知られている。

また1933年の三陸地震では、岩手県の漁村で、地震発生3日前からアワビが打ち上げられ、海草が海を覆い尽くすほど浮かび上がって来たとも記録されている。(吉村昭著・海の壁より抜粋)

 

魚の大量死が原因不明になる大きな理由、それは一地域に単一種の死滅と言う現象の多さにある。

単純に高温や酸素不足なら、その周辺にいる大部分の魚が影響を受けそうなものだが、どう言う訳かいつも単一種、若しくは精々が2種類くらいの魚だけが死滅する点である。

 

生物の生命維持に関する環境割合は同じである。

酸素が無い状態で生存可能な時間は、ネズミもサルもそんなに変わらない。

つまり容積による非酸素供給状態に対する耐性はほぼ同じなのに、なぜ1種類が死滅するかと言う事である。

 

これを考えるなら、酸素供給状態と他の何かが加わって、その他の何かの理由に拠って、1種類が死滅する可能性も考えられる訳である。

 

地震と魚の大量死の因果関係は肯定も否定も出来ない。

しかし、全く関係ないとしても、それが同じステージで発生するなら、原因の如何を問わず警戒する事の必要性は生じるのではないかと思う。

 

高温と魚の大量死や異常行動、この点に鑑みるなら、1923年の東京の暑さとウナギの苦しそうにしている姿が、今年の日本列島の暑さと、苦しそうに口を開けているハクレンやサケの姿と、微妙に重なって見えてしまう・・・。

 

2019年912日午前044分、夜中に突然目が覚めた・・・。

程なく、遠くでかすかにゴーと言う地鳴り音が聞こえ、本当に微かな揺れを感じた。

飛行機の加速震動の可能性はきわめて低いが、確認したところ、気象庁で地震は観測されていなかった。

 

大きな災害の場合、こうしたどこからどこまでが・・・と言うような曖昧な不思議が増え、それに慣れてきた頃が危ないのかも知れない。