2019/12/11 21:21



古来から地震と気象を同じテーブルで考えてきた人間のセンスは、とても素晴らしいと思う。

が、一般的に専門研究としては分離していて、民間の地震研究者では気象と絡め合わせて研究している者も少なくないが、その多くは主に低気圧と地震発生との関係を考えているものと思われる。

 

しかし現実的には大きな地震が発生する場合、晴天の風の無い日と言うケースが圧倒的に多い。

また1週間以内に低気圧が1個も発生しない時期は限られていて、ここに低気圧との関連付けを考えるなら、すべてが適応されてしまう為、地震発生の前兆現象とは言えなくなってしまう。

 

ただ1986年に一度だけ気象庁が低気圧と地震の関係を認めたケースが存在し、この時は7日以内に3個の低気圧が同じ地点を通過した事と、地震発生が関連付けて考えられ、原因は不明とされた。

 

7日以内に同じ地点をカルマン渦低気圧ではない、独立性の低気圧が通過する確率は極めて低い。

そもそも余り発生する確率の少ないものの上に、震度5の地震が発生した事から、何らかの関連があるかも知れないが、その原因は解らないとしたのである。

 

また、例えば普通の低気圧と熱帯低気圧、別名「台風」だが、この両者の関係は台風に優先順位が存在し、影響を与える側が台風であり、影響を受けるのが低気圧であるのと同等の順位が、地震と気象の関係にも垣間見られる。

 

地震発生時には気象が地震発生の直接的介入を受けるケースが存在する為であり、玄界灘で発生した震度6の地震の際、当時の気象は弱い雨だったが、地震が発生する5分前に雨は止み、地震が発生した直後から、また雨が降り出した。

 

同じく石川県珠洲市沖で発生した震度5強の地震の際、当時は同地を低気圧の中心付近が通過していて、大荒れの雨だったが、ここでも地震発生5分前には雨が上がり、信じられない事に夜空には月と星が見られ、地震が発生し終わると同時に大嵐は再開された。

 

大きな地震はどうも雨を嫌う傾向に有り、この事から晴れた日の風のない日に発生する地震は大きくなり易く、この状況は大きな地震の場合、無理やり雨を晴らしてでもやってくる傾向を持っているかも知れない。

 

ただし、雨の日には絶対地震が来ないかと言えば、そうではなく、雨の日には震度4を超える大きな地震は少ないと言う事なのだが、本当に大きな地震の場合は、大嵐を強制的に中断させ、晴れた状態になってからやってくる、そんな優先順位が存在している可能性がある。

 

さらに大きな地震の前兆現象と震源の関係では、2011年の東日本大地震以降、常に日本列島が圧力を受けている状況が強まった事から、従来の周期的予測はもう使い物にならず、ここから比較的新しい傾向を探るなら、気温に関する前兆現象はその当地、微弱地震が震源を移動しながら発生している場合は、その地が大きな地震の震源になるとは限らないケースが増えている。

 

確かにそう広くない地域に微弱地震が発生している場合、該当地区に大きな地震が発生する確率は高いが、震源が散らばっている時、次にどこに大きな地震が来るかは解らないのである。

場合に拠っては太平洋側で微弱地震が続き、日本海側で大きな地震発生の可能性があり、勿論この反対も存在する。

 

ただし通年より気温が高い状態が続いている場合は、その気温が高く推移している地域に大きな地震が来易く、気温が高い地域が広範囲な場合、通年比較に拠って一番温度上昇率が高い地域が、大きな地震の震源になる可能性が高い。

 

こうして2011年以降の傾向を統計してみると、123日から5日まで続いた北関東の中規模、微弱地震が関東大地震の引き金となる可能性は低いものの、これ以降他の地域でも微弱地震が発生するようなら、僅かな回数の統計でしかないが、関東に大きな地震が来る時期としては2020年、118日から23日くらいであり、この確率は九州、北海道での発生確率と時期も規模もほぼ同じである。

 

現在「空振」(くうしん)は火山噴火の前兆現象で有る事が、統計的に確かめられたが、空振と地震の差異は、空振の場合は窓などがビリビリしたり、ドーンと言う音がしても地面は揺れていない状態を言い、これを地震と区別する場合は、水を入れた容器を置いておけば明白になる。

 

地震のように揺れても水が動いていなければ空振であり、噴火火山の付近でなければ特に警戒する必要は無い。

だが容器に張った水が揺れている時は地震である。

 

そして同じ微弱地震でも、震度6を超える地震が発生する場合の前触れ地震では、弱くても長く続く地震には警戒を要する。

 

私の住んでいる地域では、この季節なら4日に一度は冷たい雨か霰、それに高電圧の雷の日が有るのが普通だが、今年は異常に静かで気温も小春日和である。

それに今日、12111514分、12秒にも及ぶ微弱地震を観測したが、気象庁の地震計には記録されていない。

 

石川県能登地方に設置されている地震計は10箇所、しかし私の住んでいる所から半径10km以内に設置されている地震計は1つも無く、能登半島地震の前にも、中越沖地震の前も同様の事が有った。

 

外れてくれた方がとても嬉しいが、何か嫌な予感がする。