全ての原因はこの人の拝金主義から始まった気がするが、2020年8月1日、WHOのテドロス事務局長は、コロナウィルス・パンデミックの影響が今後数十年続くと発表した。
初期段階、これはパンデミックでは無いと言っていた彼が、今や恥ずかしくもなくパンデミックを公言している姿は、どうも納得いかないものが有るが、それ以上に異様なのは日本政府、首相周辺の乾いた沈黙である。
既に第2波と言うより、2020年4月の非常事態時よりも感染者増加率が上昇し、今や首都圏だけではなく地方にまでそれが及び、4月のそれが非常事態なら今はもう超非常事態にも関わらず、Go toキャンペーンを推進し、どんどん旅行へ行ってくださいと言う方針を撤回もしない。
アクセルを踏んだけど前方には障害物が見え、今度はブレーキを踏まねばならなくなった。
にも関わらずアクセルを解除せず、ぼーっとしているのでは、障害物に衝突してしまう。
国家為政にも自動ブレーキアシストが標準装備されている、とでも思っているのだろうか・・・。
誰の目にもGo toキャンペーンは即時中止し、再度非常事態宣言を出さねばならない状況で有り、休業補償を想定するなら、休業要請の為の統一基準を設定しなければならない事は明白と言える。
この時期に国会が閉会だからと沈黙しているのでは混乱は深まる一方だし、既に政府はGovemment(ガヴァメント)の様相を呈していない。
国民の不幸は政策の失敗に有るのではなく、失敗した政策を継続しなければ信用を失うと思ってしまい、方針転回できなくなる為政者の心の卑屈さに有る。
そしてこの因は為政者が成立した時の「専横」を始まりとする。
少数意見や反対意見に対する自身の対応から疑心暗鬼に陥り、動けなくなるのだが、この原理は比較的簡単なものだ。
反対意見、少数意見を権力や多数決で徹底的に叩き、敵にしてしまうと、次は反対意見や少数意見だった者たちから徹底的に叩かれると恐れる為、一度動き始めた政策は例えどんなに間違っていようが、絶対変更できなくなるのである。
本来政治の世界では、日本の為と言う視点なら敵も味方もないのだが、最初に少数意見者の声も反映しておけば、万一政策に誤りが有った時でもすぐにこれを正す事はできるが、ここで意見を巡って対立し、敵となった者たちを排除してしまっていると、方針転換時には自身そのものが排除対象になってしまう。
少数意見や反対意見を排除した度合い、敵視した度合いに応じて、政策に誤りが出た時は、自身存続の恐れが生じてしまう。
これを「ミラー効果」と私は表現しているが、実に自分がやった事に比例して、自分がそれを恐れる事になる訳である。
安倍政権は味方と敵のはっきりした政権だった事から、当然ミラー効果は大きく働き、政策の失敗は許されない状況になり、強行突破しているから政策方針の転換はできない訳で、手立てもなく逃げ回るしかないのだが、ここで起こってくるものは権力の散逸である。
つまり権力が宙づりになってしまい、分散して四方八方に散らばってしまう事になり、ここに中央集権は終焉を迎える。
まさに歴史が繰り返してきた通りの道を、今の日本は歩んでいる。
天皇や大将軍、幕府の権力が散逸して行く過程に同じな訳であり、次に起こってくるものは地方勢力の台頭で有る。
政府が決めないなら、各都道府県が独自に決定して行くしかなく、嫌が上にも地方権力が上昇して行く。
東京都、沖縄、名古屋、岐阜、大阪が独自基準を模索して行く図式は、まさに中央集権国家から戦国時代に突入する過程と全く同じなのである。
だからこうして中央政府が手立てを出せない時は、各行政府が独自に努力、結束して台頭し、既存権力を突き崩せば良いのである。
既に自民党は死体も同然だし、野党に至っては悪鬼、欧米風に言うならゾンビ状態だ。
日本は今無政府状態なので、各行政府が中央政府を脅して動かし、新しい秩序を構築すれば良いのである。
浦賀に黒船が現れ、対処方策を失った幕府に拠って社会が混乱した図式と、コロナウィルスに拠って対処指針を失い、混乱を招いている令和2年の日本政府の図式は、同じに見える・・・。