2020/11/22 18:55



追い詰められた鼠のように暗く儚い目をして、

苦く(にがく)歪んでいるだろう顔・・・。

君はそんな私を見て笑ってくれるか・・・。

そこまでの笑顔を私にくれるか・・・。



両手は裏切りと汚さにまみれ、

絶望と既に死んだ心しかない者に

そんなにも嬉しそうに手を差し出してくれるか・・・。



君の笑顔は余りにも眩し過ぎて、

余りにも罪から遠すぎて、

私では抱く事が出来ない。

だから君はそのままお母さんの手に抱かれているが良い・・・。



君がいつか大人になった時、

私は既にこの世にいるかどうかも分からない。

私の事を憶えてもいないだろう・・・。

だが過去が今だった時、

君の笑顔を畏れ、有り難く思った者がいた、

そう、そんな時が存在した・・・。



ようこそ、この世界へ・・・。

君の誕生を祝福する・・・。


                            Old passion