「謎の爆発音」 | 古典漆芸技術 夏未夕漆綾

2021/05/15 18:08

 

2021426日夜、北海道札幌市付近で発生した「謎の爆発音」に関して、当初地震学者が地震波とは違うと所見、そこから火球、隕石の突入音との推測を出した。

 

これに対して天文学の専門家、天体観測の研究家は、これだけ広範囲に爆音が聞こえたとするなら、火球にせよ隕石にせよ、夜にも拘わらず、全く発光現象が観測されないと言う事態は、あり得ないと言う意見が出された。

 

そこから話題はジェット機の加速振動ではないかと言う予測に移行し、一時は姿も見えず加速振動音だけが聞こえると言うステルス性に鑑みるなら、他国の領空侵犯、国防の危機説にまで発展したが、京都大学が震動波形から、ジェット機の加速震音説を否定し、文字通り「謎の爆発音」と言う事なってしまった。

 

こうした場合の原因特定には「排除法」が有用で有り、まず付近で花火大会や工事現場で発破「爆発粉砕」が使われていないかったかを確認し、次に気圧配置から雷雲、突発性強風の発生がなかったかを確かめる。

 

その次に飛行機やジェット機の加速に伴う衝撃波の可能性を考え、次に火球や隕石の突入音を考えるのが順序だが、これ以外にも「謎の爆発音」となる可能性としては「空気振動」が在り、この場合の原因は飛行機の加速震動、遠隔地火山噴火に伴う現象の2つが存在する。

 

実はこうした謎の爆発音や、地震計に観測されない震動や振動音は、石川県能登半島、富山県西部では珍しい現象ではなく、かなり高い頻度で発生していて、その80%は飛行機の加速振動音となっている。

 

国防危機説を唱えた軍事専門家は、こうした爆発音から、ステルス戦闘機やジェット機の加速振動音を想定したようだが、普通の航空機でも高度や気象的条件に拠って、震度2くらいの空気振動と「ドーン」と言う衝撃音を発生させるケースは少なくない。

 

また札幌の爆発音は陸地での観測証言が多く、海域では聞かれなかった事から、一部の気象予測専門家は空気の温度に拠って、温度が低い海域では音が伝わらなかったのではないかと所見しているが、この手の謎の衝撃音の観測が、石川県のケースでは夏よりも初冬が一番多い。

 

この事からこうした衝撃音は空気の温度よりむしろ、気象的条件、例えば低気圧が接近する前日等の気象的条件に拠って観測される場合と、そうではない場合に分岐するものと考えた方が良いのかも知れない。

 

能登半島では過去、1か月の間に41回「謎の爆発音」を観測した年が在り、これらはそのどれもが飛行機の加速振動音かどうかを特定できなかった。

 

更には飛行機の加速振動音も、隕石の突入も明確に否定が確認されたケースが、2000年から2020年まで12回存在し、この内8回に付いては、4日から7日後に九州南部、南西諸島の火山噴火が発生していて、この時の空気振動波形態は隕石突入時の衝撃波形にとても近いケースが有る。

 

「謎の爆発音」は決して珍しい現象ではなく、その原因は花火、発破、雷、飛行機、隕石などの突入に拠るもの、火山噴火に伴う前触れ現象が考えられると言う事であり、この中で最も多いのが飛行機の加速振動音、次が火山噴火に伴う空気振動と考えられる。

 

石川県の事例では「ドーン」と言う爆発音の後、震度3クラスの振動を観測したケースが、この20年で16回存在する。

 

京都大学には申し訳ないが、北海道で観測された衝撃波形は隕石の突入時だけではなく、火山噴火前兆に伴う空気振動波も似たような形が在る事をご記憶頂いて、後の研究に生かされん事を希望する。

 

ちなみに大きな地震に伴う音の前兆現象の場合、「ドーン」と言う音は1回で終わることはなく、時間的等間隔を措いて複数回に及び、「ゴー」と言う風の音のような場合でも、それが観測される時間はかなり長い。

 

1回、数秒と言う単位での「謎の爆発音」では、大部分が飛行機の加速振動音、残りの更なる原因不明の爆発音は、1週間以内に発生する、300km~500km離れた地域の火山噴火、何らかの地殻変動と言う可能性が在る事を記録して措く。