2021/06/14 20:56

台風が2つ並んで発生してきた場合、若しくは離れたところにある台風が2つ近付いた場合、この時2つの台風は相互に影響しあい、一つは北西に向けて、そしてもう一つは南東方向に向けて、反時計回りに移動していく。

 

このことを「藤原効果」、または「藤原の効果」と言うが、この藤原効果の語源は第五代中央気象台長「藤原咲平」(ふじはら・さくへい・1884年ー1950年)東京大学教授の名前に由来している。

北太平洋西部で発生する熱帯低気圧の内、最大風速が34ノット(毎秒17・2m)を超えるものを台風と呼ぶ。

インド洋上で発生する場合は「サイクロン」、大西洋で発生するものは「ハリケーン」と呼ばれるが、全て構造は台風と同じものである。

 

暖気団(暖かい空気)中の対流活動によって、水蒸気が凝結するときに放出される凝結熱がそのそのエネルギー源であり、台風の雲の厚みは10km以上に達する。

中心部は下降気流で雲が切れる事から、この部分は晴天域となるが、周囲に聳え立つ積乱雲の壁の中は、膨大なエネルギーが暴風雨に変換されている。

 

台風の進行方向を正面とし、その右半分は風が強くなるが、それは台風の進行方向と台風自体の回転方向の相乗効果によるもので、これに対して進行方向の左半分は比較的風が弱い。

それゆえ海上を運航する船舶関係者たちの間では、台風の右半分を「危険半円」、左半分を「可航半円」と呼ぶのである。

 

そして台風の進路について「一般流」、つまりは大規模な大気の渦を流す風のことだが、これに流されれば進行方向はその風の流れと同じになり、一般流が弱いと台風の進行方向はジグザグの「迷走台風」となる。

 

また偏東風帯の中を西、若しくは北西に進んだ台風が偏西風帯に達し、急激に西方向から東方向に進路を変更する点があり、このことを「転向点」と呼ぶが、この位置は緯度で言えば25度から30度線付近となる。

 

また台風の大きさ強さは、1991年より気圧基準から風速を基準としているが、台風の気圧からその台風の風速を大まかに計算する場合、付近にある高気圧の気圧から台風の気圧を引き、それに0・75をかけると凡その最大瞬間風速が求められるが、台風が発達段階にあるとき、すなわち暖かい海水域に有る場合は係数が0・75より大きく、0・82となり、台風の勢力が落ちていくとき、つまりは冷たい海水域に達した場合、または上陸した場合は係数が0.72となっている。

 

例を用いるならば近くに1020ヘクトパスカルの高気圧があり、そこへ950ヘクトパスカルの台風が進んできた場合、その瞬間最大風速は52・5mとなるわけだが、ここで間違えてはならないことは「最大風速」と「瞬間最大風速」は同じものではなく、瞬間最大風速の場合は、その地形なども関係することから、一定の目安として用いる事はできても正確な数値は求められず、この計算式は一般の低気圧の瞬間最大風速を求める場合も有効である。

 

ただ、話の末尾で申し訳ないが、この計算式は気象庁が認めているものではなく、私独自のデータ解析である事から社会的信頼度は全くないことも付け加えておかねばならないだろう。

 

更に台風の進路は何も気象庁しか分かってはいけないと言うわけではなく、むしろその進路に当たる地域で発生する事前の現象によっても、現在私達が住んでいる地域に台風が接近するか否かを判断することは可能で、一般的に大きな台風の進路に当たる地域では地震の前兆現象と同じ気象現象が確認される。

 

九州地方に昔から言い伝えられている気象判断で、空の大部分に雲が有りながら、西の空に晴天域の隙間で出てくるときは、大嵐になると言う伝承があるが、同じような伝承は鳥取県山間部、福井県、富山県、石川県の山間部でも伝承されていた。

 

ただしこうした伝承については大地震が来るとする伝承も同じように残っている。

またキジについて、これも多くの地域で里でキジを見かけると、それは天候が荒れてくる前触れとする伝承が有るが、こちらも地震の前触れにも現れるとなっている。

 

そして我々が身近に判断できる台風の進路判断だが、前日の夕焼けがいつもと違うピンクや黄色、紫の光を帯びている場合、その地域は翌日に台風が接近する可能性が高く、この現象は大きな低気圧の接近でも同じような現象がある。

 

その他気温の上昇や微弱な気温低下、湿度の上昇や、どことなくイガイガとした不快感なども気象変動の前触れとなることが多い。

 

                                            「台風と言うエネルギー」・Ⅱに続く