2022/01/16 08:28


気象庁のもどかしさが良く現れている記者会見だった。

 

2022年1月15日13時10分に発生した、南太平洋の大規模火山噴火に伴う津波警報、注意報の発表に付いては、本来津波とは性質が異なるものを、緊急性から近似値関係に在る津波警報、注意報システムを利用して発表した為、一般大衆には若干の混乱をもたらしてしまった傾向がある。

 

基本的に今回我々が津波と認識している現象の本質は「潮位変動」であり、この点から言えば沖から白波が立って大きな波が押し寄せると言う性質のものでは無い。

むしろ気づかない内に海水面が上昇していると言う形が多くなる。

 

通常南太平洋で大きな地震や地殻変動が在った場合、その津波が日本に到達するのは12時間前後だから、15日に発生した大噴火に伴う津波の到達時刻は、早くても16日0時くらいになる。

 

しかし15日20時前後には、もう南西諸島や東北太平洋側で潮位が上がり始めていた。

こうした形は低気圧や台風の接近時にみられる現象に同じで、津波の通過地点である太平洋上の島々に在る観測点では大きな津波を観測していなかったにも関わらず、東北太平洋沿岸では1mを超える潮位上昇現象が発生した。

 

今般我々が津波と呼んでる現象は、台風の通過なら「潮位変動」と呼ばれ、たまさか大規模火山噴火に拠って発生した為、「津波」と呼ばれたに過ぎない。

 

この潮位変動の原因は日本全体を覆った急激な気圧低下だった。

南太平洋の火山噴火後から6時間、7時間後、日本全地域で凡そ2hp一挙に気圧に下り、それに伴って海水面が上昇を始めた。

 

気象庁はこの気圧低下が火山噴火に起因するものと判断したが、どうして日本だけで気圧低下が起こったのか、その原因に付いて不明と見解した。

 

事の緊急性から、津波警報システムを利用して大衆に告知したのは正しい選択だったが、如何せん大衆がイメージする津波とは少し異なる、そのニュアンスの差を表現がするのが難しいように見受けられた。

 

潮位異常は沖から白波が立ってやってくるような、明確な視覚的現象が弱い。

むしろ気づかない間に海水に囲まれていると言う形が多くなるので、ダイナミックな視覚的現象が無くても注意が必要になる。

 

また海底火山噴火に伴う気圧低下と言う事になれば、火山噴火経過に気圧変化が伴う事になる可能性が出てくる。

この点では発表した津波警報の解除点を、どこに持って来るかと言う問題が発生する。

 

火山噴火に拠る気圧低下であれば、火山噴火が継続している期間は常に同じ現象発生の恐れがあり、噴火が収まっても次にいつ噴火が始まるかは予想も付かない。

 

ただ、このまま気圧低下現象が収まって状態が安定した時期、若しくは火山噴火が弱まってきた時期をして日本付近の気圧低下現象も収束と判断するしかないが、この場合通常の津波警報、注意報より長くその警報を継続させねばならず、大衆も何故こんなに長く警報が続くのかと言った疑問を持ってしまう。

 

これらを分かり易く説明して行く努力が必要になる。

 

南太平洋で発生した大噴火で、何故日本で急激な気圧低下が発生するかだが、気圧の低下は基本的に空気が吹き飛ばされたか、或いはどこかに吸い込まれたと考えられるべきだが、もう一つ「重力異常」と言う現象が在る。

 

大きな地震には付きものなのだが、地殻の大量なエネルギー放出に伴い、一時的に地球の平均重力と比較して変化する事が有り、この場合は震源地付近で重力異常が発生するとは限らない。

 

今のところ仮説でしかないが、南太平洋の火山噴火に拠って、日本付近で重力異常が発生し、その為に気圧低下が発生し、海水面が上昇を始めたと言う可能性も考えられるのではないか、今後のそうした調査にも期待したいところである。

 

ただ、こうして遠隔地で発生した気圧低下、または重力異常は、南太平洋の大噴火に拠る影響を、日本が最も強く受けたと言う事であり、この点を考えるなら今後の日本に措ける地震活動、火山活動にも少なからず影響が出るものと考えた方が良い。

 

近年、日本付近のみならず、世界的に火山噴火が多発している感がある。

1700年代後半、日本では経済が停滞し、浅間山の噴火以降低温現象が続き飢饉が頻発、結果として明治維新への礎を築く事になる。

 

フランスでもやはり、ヨーロッパ全土を覆う火山噴火に拠る寒冷化に拠って食料危機が発生、フランス革命を成立させて行く。

 

火山噴火が多発すると、成層圏で被膜が発生したようになり、太陽光の地表到達率が低下、結果として地球は寒冷化に向かうのであり、こうした傾向が始まると経済的沈降が発生してきて、やがて食料危機が発生する。

 

その時為政者が取る方法は、資本の大規模化、集約に拠る効率化なのだが、これに拠って農業や工業などは壊滅的な打撃を被る。

そして、壊滅的な打撃を受けた後、新しい革命的なシステムが構築され始まるのであり、日本や世界の今は中世暗黒時代末期、フランス革命前夜に良く似ている。

 

しばらく津波〈潮位変動〉の警戒を怠らないように、ご注意ください。


[少なくとも過去の統計、記録上、遠隔地の火山噴火に拠る日本の急激な気圧低下現象の例が見当たらない故、本現象を記録する]