2022/04/05 20:02
自民党は「政権公約」と言う言葉を黄泉の国に葬り去った。
そして民主党はその政権公約のブリティッシュバージョンで有るところの「マニフェスト」と言う言葉を黄昏(たそがれ)にしてくれた。
魑魅魍魎どもが「待った無しの財政改革」を野合している間、つい先頃日本銀行が買い取って来ていた日本公債の額が、いつの間にか紙幣発行残高と同額の80兆円を超えてしまった。
つまりこれは事実上日本は何もしていないし、出来ていない、ただ金利のみがマイナスになっていると言う事であり、それが証拠に国内銀行117行の「予証率」合算はは、2012年3月決算で41・8%にまで膨らんできていて、これは国内銀行の運用が大きく国債に依存している事を示していて、つまり日本はあらゆる場面で「借金」を中心に経済が組み立てられていると言う事である。
加えてヨーロッパ経済の破綻はもはや確実な状況で、アメリカは今年の11月に控えている大統領選挙に向かって共和党と民主党の対立が激化し、軍実支出や福祉支出の財政支出が予算委員会を通過できる見込みが立っていない。
おそらくどこかの時点では共和党と民主党が歩み寄る場面が出てくるのだろうが、この事態の収拾如何によっては世界経済が一挙に縮小に向かっていく可能性が有る。
また静かに確実に忍び寄っている食料不足の影は、昨年から中東諸国の民主化要求に形を変えて激化してきているが、こうした傾向は中南米の麻薬組織の拡大、ヨーロッパの民衆の暴動の本質となって拡大していく。
このような情勢に有って日本を鑑みるなら、現状の日本国民がまず何とかしなければならない最重点事項は「Government」である。
今の日本は国際的観点から「交渉相手」がいない状態で有り、既に死に体を超えて腐臭を日本の上に漂わせている民主党政権、更にはこの民主党政権が終わったとしても、次の政権には全く期待が寄せられず、その度に変わって行く日本の政府は、もはや「Government」の定義を失っている。
今回「竹島」と「尖閣諸島」と言う戦後日本が常に抱えてきた領土のテーマが火を吹いたが、どうだろうか、ここから中国と韓国の微妙な誤差が見えては来なかっただろうか。
韓国の竹島に対する領土意識はまるで子供のそれであり、菓子が買ってもらえず泣き叫ぶ子供と同じだ、何も現実が見えていない。
だが同じ領土問題にしても今回の中国政府の対応は「微妙」なものがある。
片方で活動家達の尖閣諸島上陸を「許可」と言う消極的意思で推進しながら、それが拡大しないようにコントロールをかけている。
この背景には中国の内政問題が有り、尖閣諸島に対する活度家達が大きな組織になってしまった場合、それが中国国内の民主化要求、民族独立運動に転嫁する事を恐るからであり、そしてもう一点は「経済」に有る。
中国の経済を支えていたものはヨーロッパ経済であり、だが昨今のヨーロッパ経済は既に壊滅的な混乱である事から、この中に有って現状で国際資本の避難所となっている日本経済に敵対するにはリスクが出てくる。
そこで尖閣諸島の領土問題でも、基本的には中国政府のコントロールが見える訳である。
つまり中国政府には「リスク」処理で政治対応できる能力が出てきていると言う事であり、国際社会はここから中国政府がもはや第一級の「Government」となっている事を読み取らなければならない。
韓国領土意識などその基本は「個人の事情」であり、その意味では国民感情をコントロール出来ずに、それをローカルな日本敵対に向かわせ、しかもいつか国際社会のルールとの軋轢が出てくる事に対する大きな危機に対応できてはいない。
この意味から韓国と中国と同列にしてはいけない。
竹島など小さなミサイルを一発打ち込み、岩の一つも欠けさせた上で、国際司法裁判所に提訴し、国際社会に日本は領土問題では武力も辞さない事を示し、韓国は解決済みの第二次世界大戦戦後処理を盾に日本を脅迫していたと訴えて置けば十分だ。
後は韓国国内で更に対日敵視が加熱し、韓国の方から自主的に経済封鎖を始める。
一時的に戦争状態を作り、そこで始まるものは韓国経済の落ち込みだ。
韓国の大統領は現大統領も、来年2月で交代する次期大統領も経済的な落ち込みの中で混乱状態になり、国民も少しは現実を見るようになるだろう。
日本はこの間に北朝鮮と少しだけ関係を改善し、アメリカに対しては韓国関係に対する譲歩を餌に、沖縄の基地問題などを交渉することで軍事衝突と言う鉾を収めれば、それでも大きな進展になる。
そして中国はこうした日本の領土に対する軍事行動を非難しながらも、尖閣諸島の件には慎重になって行くだろうし、経済と兼ね合いを見ながら行動していく事になる。
だから、尖閣諸島には今後の世界経済の入口のような部分が出てくる。
日本は韓国などどれだけ甘く見積もっても構わないが、中国は既に経済の上でも「Government」でも、日本の上に有ることを意識して措く必要が有る。
だが日本、日本人の最大の問題はこうした領土問題や外交では無く、それ以前の問題だ。
もはや完全に制御を失い、国際社会からも相手にされない日本の「Government」をどうにかしない限り、外交も内政も行き詰るのは必死で、海外では国民がこの事を「不幸」だぐらいで済ませている点に大きな疑問を持っている。
民主党野田政権は消費税増税と引き換えに「国会の解散」を約束したが、現状で解散すれば民主党は消滅し、この事情は自民党でも同じである。
自民、民主、公明の三党合意では民主党、自民党は国民から同じような批判票を受け、これを何とか出来るのは宗教票を持っている公明党のみだが、ここから強烈に解散を求める公明党と、一応原則はそうだが、解散しても国民から信を得られない自民党執行部との間には温度差が出始めている。
既に自民党でも解散したくない空気が出てきているのであり、一方、現状で国会が解散されたとしても、大阪維新の会が出している政策を見る限りでは、言葉は美しいが数値目標や具体策が無い、初期の民主党マニフェストと全く同じである。
また小沢一郎代議士の「国民の生活が第一」にしても、この名称では初めから福祉目的党のイメージしかなく、外交や経済が蔑ろにされているのではないかと言う海外からの声は実にもっともであり、両者とも自民党、民主党以上に政権担当能力が有るか否かと言えば、全く期待できない。
おそらく国会の解散は自民党、民主党によって最大限延ばされた状態になるだろう。
その上日本国民には自身の夢や希望を託すに値する政治家や団体がいない。
消費税を撤廃し、都市部の固定資産税を下げ、高齢者、公務員優遇政策を切り捨て、小さき者を潰し、それをして大きな者に圧力を加え、自国が生き残る外交を国民が提示し、代議士候補に言う事を聞かせる時代なっているのでは無いか・・・。
そして私がこんな事を言うと、また軍国主義者だの、帝国主義者だのと言われるのかも知れないが、日本には実は2つの「Government」が有り、もう一つの「Government」は政治に口を挟めない事にはなっているが、国内的にも国際社会でも最大級の「権威」を有している。
同じデモを起こすなら、「何か騒がしいね」と涼しい顔をされて終わるより、宮内庁前で土下座して「永田町の魑魅魍魎どもに一言喝を入れてやってください」などとお願いした方が良いのでは無いか、この暑さの中、そんな事を考えてしまう・・・。
家庭の事情と農作業が煩雑を極め、回答が遅くなったが、ずっと貴兄のご意見は拝見していた。
おそらく貴兄が思われている事は今の日本国民の多くの意見で有るように思う。
それゆえこうしてコメントでは無く、記事とさせて頂いたが、これはあくまでも私個人の見解であり、これが全てでは無い事もまたご理解頂けると有り難い。
[本文は2012年8月16日、Yahooブログに掲載した記事を再掲載しています]