2022/05/06 19:23

夢の続きは見れるか・・・。

夢の続きは見ることができる。
それも実際のところ夢の続きを見る確率の方が見ない確率より高く、これが目が醒めている時に意識する事によって繰り返されると、最終的にはいくつかのパターンの夢を交互に繰り返し、何本かの連続ドラマを見て行くのと同じような形になる事すら有る。

人間の視覚、記憶は例えば人間社会の道路とフラクタル性(自己相似性)が有り、どちらがどちらのフラクタル性かの判断は難しいが、同じような傾向を持っている。
即ち多く使われる所の道は大きくなり、余り使われない道が寂れていくのと同じように、脳の引き出しから多く引き出される事柄は常に出て来易くなり、そうでないものは出てきにくくなるのである。

また人間の脳は基本的に空間と時間の制約を持っていない。
為に寝ている時は脳内で記憶や視覚などが整理されていると言われているが、この事が夢に関係しているとするなら、夢には現在や過去、未来の概念が無いことをして、脳機能に空間と時間の制約がない事のある程度の証明と考えられ、では何故起きているときの意識で夢の続きまで見られるのかと言うと、基本的に夢を見ている状態は「半分起きている」状態だからである。

パーソナルコンピューターの概念は人間の脳、その脳がどう言う形で動いているかを元に考えられた。
それゆえハードとソフトやアプリケーションと言う、人間で言えば生体の概念と「感情や心」の概念が分離して考えられ、それが両方機能して始めて完成された動きをする形式となっているが、この形式は起きている人間と寝ている状態の人間の概念に近い。

即ち人間が夢を見ている状態は、実際は余り長い時間では無く、この状態はパーソナルコンピューターの起動スイッチが押された状態、そこから実際のソフトが動き始める間の時間に似ている。

つまり人間が夢を見ている時、それは人間の脳がソフトを動かし始めようとする、或いはソフトを閉じようとしている時間であり、脳のこうした機能とハードと言う体の機能の内、どちらが失われても生物としての機能が失われる事を考えるなら、我々は毎日眠りに付いて目が醒める事を当たり前のように思っているが、そこには「生」と「死」が横たわっている事を思わなければならないだろう。

眠りは細い線が次に太い線に束ねられ、更にその束ねられた線がもっと太く束ねられたような状態になっている。
8分、24分、40分、72分、2時間、の単位でそれぞれが深さの違う眠りをしていて、基本的にはこの間隔に当たる部分では目を醒ます機能が少しだけ働くが、すぐに次の波が来て目を醒ます機能が却下される事を繰り返している。

眠りは生体に取って必要な事であるのは間違いないが、しかしそれは生死をさまよう危険と、実際に他から捕食される危険を持っていたに違いない。
ゆえ、眠りに付く事と目を醒ます事には緊急性が生じ、そこで眠りは間隔を持って常に起きる準備をしながら眠る形式となったように考えられる。

従って俗に言う恐い夢は、勿論日頃のストレスの影響も有るが、そのストレスも含めてある種の緊急性を持ったものと言う事が出来、こうした夢の必要性が無視されてはならない。

まだ添い寝が必要な幼いお子さんをお持ちのお母さん、子供の危険性を共有しなければならない状態では、例えば隣に寝ているお子さんが熱を出した場合、その熱が自分に伝わり、そこから火事や実際に子供をおぶって病院を回っている夢を見るときが有る。

そして何故か目が醒めてしまう経験が有ると思うが、これなどはまさしく日頃一体何を自身の中で重要と考えているかの裏返しであり、こうして緊急に起きなければならない事を察知した母親の生体はそれを脳に伝え、そこから緊急に目を醒まさなければならない時、一番効果の有る方法が「恐い夢」なのであり、しかも本当に緊急性が有る場合、それは大きな声となって聞こえ、そこで目が醒める事になる。

ちなみに危険回避、緊急性で言うなら地震発生に関しても、人間は起きている時は初期微動P波を捉える確率が低いが、これが寝ていると約40%の人が震度1くらいの地震でもP波を捉えると言われていて、この為に何故か夜中に目が醒め、そこへ地震が来ると言う事が出てくるのである。

また緊急性と夢の話で言うなら、人間が行う排泄行為は本来動物と同じで、それほど場所や時間の制約を持っていないものなのだが、人間が長い歴史の中で形成した社会はそれを第一級の制約とし、最も最高レベルの重要事項としている事から、基本的には生体が抹消される、殺される事の次に重要な概念を形成している。

だから寝ている時に排泄感が出た場合、夢の中ではどうなるかと言うと、どこかで用を足そうとするのだが、何故か人が来たり、或いはファスナーが壊れていてどうしてもできない夢を見ながら目が醒める事になる。

若しくは夢の中では用を足したつもりでも、実際には排泄がされていない場合も出てくるのである。
男女ともお互いが一発で嫌いになる行為として「寝小便」が有る。
命を賭けても惜しくないと思った相手でも、この行為で全てが終りになる、それほど人間は無意識に排泄を重要に考えている訳である。

                             「夢占い・2」に続く


[本文は2012年10月27日、Yahooブログに掲載した記事を再掲載しています]