2023/03/30 07:08

2023年3月29日未明から活発化してきている能登半島珠洲市内陸、珠洲市沖の群発地震に付いて、2019年から始まった同地域の群発地震は、震源の分散化、地震波伝搬地域の遠隔傾向から、性質上は大地溝帯〈フォッサマグナ〉内で発生する群発地震の傾向と酷似していた為、金沢大学、及び気象庁が採用する地殻内部の水溜まりに拠る滑り地震仮説を排除し、科学的仮説が付かなくても、出現する現実の事象と傾向の統計的な解析から、この地震に関する注意喚起をさせて頂いた。

 

1993年2月7日、現在発生している能登半島珠洲市の震源に近い場所を震源としてM6.6、最大震度5強の地震が発生したが、この地震に付いての記録は実に不可解なものが多かった。

 

震央は海域なのだが「直下型内陸地殻内地震」とされ、つまり地震としては海域地震だが、その原動力は内陸地殻に在ると言うニュアンスの表現をしていて、地震発生後行われた金沢大学、新潟大学の調査報告書も、一時は発表されながら、その後まるでそんな話は無かったかのように消えてしまっている。

 

現在の金沢大学が出している仮説肯定の為、過去の調査報告書の重要性が省みられなくなったのかも知れないが、今般の群発地震の傾向に鑑みるなら、震源の移動分散、前震傾向、地震波伝搬地域の遠隔傾向と、小さな地震が群発長期化している点を除けば、ほぼ1993年の能登半島沖地震との共通点は多い。

 

1993年の地震余震では新潟県上越地方が最大震度となったケースが有り、可能性としてはこの地震の要因が、想定範囲より広い範囲を要因として、発生している可能性が有る。

 

珠洲市では2023年3月29日未明から震度3の地震が3回、それから2023年3月30日午前5時までに5回の微震が続き、観測されない更に微細な揺れも続いている。

 

1993年の地震の時も、本震が発生する95日前から震度1,震度3の地震が頻発し、2月7の地震に至った。

 

この地震に関する記録は、調査結果がはっきりしなかったのか、或いは後の学説の為に排除されたのかは不明だが、記録の消失が多く、確か金沢大学の当時の調査では、珠洲市沖の断層に付いても発表されたように記憶しているが、この記録が残っていない。

 

記録上は震央と、そこから40km離れた輪島市の最大震度が同じになっているが、1993年当時、珠洲市には国土庁の地震計が設置されていなかった為であり、この地震の最大震度は震度6,或いは震度6弱だった可能性が在る。

 

珠洲市の群発地震は、その傾向としてはフォッサマグナ内、長野、岐阜県境で発生する地震と酷似している。

こうした傾向を考えるなら、珠洲市でも震度5を超える地震発生の可能性は低いと考えられるが、2023年3月29日から少し傾向の変化が見られる。

 

どこかで震度6クラスの地震の前震傾向の様相が現れて来たような、申し訳ないが予感でしかないが、そんな気がする。

 

今回の頻発する中、小規模地震が前震で有る場合、大きな地震となる時の震央は、第一が珠洲市西北部沿岸の海域、第二に新潟県上越市である可能性が高く、もしここで大きな地震が発生しなかった場合は太平洋側のどこかと言う事になるが、この場合時期は数年単位、場所の特定は現段階では不可能である。


今般の群発地震に関して、ここ3年間の地震発生回数を時間毎に集計した、時間別地震発生周期では、23時から翌日の3時までが一番数が多かった。

昼か夜かと言えば「夜」の確率が昼間発生する確率より2%多い。

特に23時から翌日の3時前後の周期が多くなるかも知れない。


晴れた日は恐ろしい・・・。

雨の日に地震が来ないかと言えば、そう言う訳でもないが、雨の日の地震は中規模以下になる場合が多い。

大きな地震は晴れて良い天気、気温が上がって風が止まった状態を好む、か、もしかしたらそう言うシチュエーションを地震が用意するのかも知れないが、そんな日の、そんな瞬間、遠くからゴーと言う小さな音が聞こえて、次の瞬間、やって来る。

 

石川県、新潟県上越地方、佐渡島地方の方々は、花見も楽しみながら、ご自身の身を守る用意周到さも、お忘れなきよう・・・。

 

 

保勘平宏観地震予測資料編纂室  文 責  浅 田  正