2017/12/14 07:48

「塗師小刀」・3・丹波

塗師小刀、塗師刀は現在では輪島塗の特殊な刀として位置づけられている。しかしこの刀は本来日本のグローバルスタンダードだった。今では滅多に表記される事は無いが、大正や昭和の文献の中に「丹波」と言う言葉...

2017/12/12 06:42

「塗師小刀」・2

塗師小刀は職人の命だった。その道具を見ればその仕事が解る事はどの職業に措いても言える事だが、塗師小刀で言えば柄や鞘に綺麗な装飾が施され、綺麗に研がれた刀が素晴らしいのでは無い。.柄や鞘に使うのが惜し...

2017/12/11 06:45

「塗師小刀」・1

輪島塗りの基本は下地塗り(したじぬり)に有って、従って仕上げである上塗りをする職人にしても必ず下地塗りの修行を終えている事が普通だった。通常この下地塗りの弟子修行は3年、若しくは4年で、お礼奉公が...

2017/12/10 07:36

「塗装工の誇」

もう20年近く前になるだろうか、仕事で某和紙産地の作家と共同製作品を作る機会が有り、私は細い紙の帯を朱や緑などの漆で拭いて、それを編み上げて敷物を作ったが、これに和紙作家が意匠を加えたと言う事で仕...

2017/12/08 06:31

「サバの味噌煮定食」

30年近く前、どう言ういきさつでそうなったのかは解らないが、最先端のデザインと伝統をコラボレーションしたものを創りたいと言うデザイナーから連絡が入り、そして私は東京へ打ち合わせの為に赴いた時があっ...

2017/12/07 05:20

「フラクタル同調律」

例えば人間の血管網と樹木の枝、それに川を鳥瞰的に眺めた形は全く同じではないが、縮小したり拡大したりすると近似値を示す。つまり似たような形になるのだが、これはそれぞれに構成されている物質が異なっても...

2017/12/06 07:12

「漆は塗料」

漆の価格は変動相場制であり、その価格決定の最大の要因は中国での生産状況や、やはり中国政府の政策に起因する。こうした事情から過去、輪島などの漆器生産地では中国の漆生産に対し、日本政府から補助を受けて...

2017/12/05 19:26

「徒弟制度と雇用」

昭和50年(1975年)には販売も含めると、毎年70名前後の新規就業者が存在した輪島塗の世界だが、これが10年後には半減し、更に10年後の1995年には輪島塗関係の求人がほぼ0になってしまっていた...

2017/12/02 20:03

「f分の1で息を吐く」

肺の容積の85%を占め、成人一人当たりの総表面積が100平方メートルにも達する「肺胞」の機能は、静止している状態ではない事から、常に微弱な収縮と拡大を繰り返しているが、平均値は存在し、従ってこの平...

2017/11/24 06:20

「強度の脆弱性」

「砥の粉」の産地で歴史が有るのは京都山科だが、元々砥の粉はこれを水で溶いて木材などの表面を拭くと、木材が白く見える、或いはその表面のきめが細かく見える事から建築などに利用される部分が多かった。それ...

2017/11/22 06:17

「夏の器つくりました」

塗師屋(ぬしや)と言う組織には「筆頭職」(ひっとうしょく)と言う立場が有って、これは通常ならその塗師屋の一番弟子で、修行期間である年季明けが終わった者が、他の塗師屋でも働いて経験を積み年齢を得て、...

2017/11/21 07:34

「物と言うもの」

物には例えば同じ物、同じ道具でも重さの違いが有り、この重さとは重量では無く見た目の重さを言い、その因するところは「非合理性」の含み具合いと言うことになろうか・・・。.狭義の基本的な酒器を指した場合、...

2017/11/16 07:28

「職人にでも・・・」

例えば明治21年(西暦1888年)の「輪島」周辺の村を見てみようか・・・。.輪島から更に北に位置する「町野」(まちの)と言う所での一般家庭の暮らしでは、洋服を着ている者はまず存在せず、大体が少し丈の...

2017/11/14 17:52

「1000円札」

物質は一般的に「化学統合」の形式でエネルギーを保存している。つまりその瞬間ごとに他と反応しながら存在する事から、そのエネルギーの絶対値がどれだけで有るかは決定することができない。物質の持つエネルギ...

2017/11/08 16:35

ストリップ

表題から何かエロい話かも知れないと期待された方もおいでる事と思うが、ご期待に沿えず申し訳ない。本日は輪島塗の「布着せ」(ぬのぎせ)の話をさせて頂こうと思う。素地を補強させる為に漆で寒冷紗(かんれいしゃ...