2018/03/11 11:01
むかし、二人の修行僧が旅をしていた。彼等は一人は仏門の先輩、つまりは兄弟子で、もう一人はその後輩の弟弟子(おとうとでし)だったが、ある村に近付いたとき、先日来の長雨のせいだろうか、道に大きな水溜り...
2018/03/09 20:10
輪島塗の工程は135工程とも147工程とも言われるが、現実には20の工程を超えず、分割して行う工程も数える為に数が多くなっているだけ、言わば大げさに広げて申告された工程であり、その半分は研磨工程で...
2018/02/28 06:32
聖書レビ記16章弟8節から10節にかけて「アザゼル」と言う言葉が出てくる。 この中で、司祭は2頭の山羊(やぎ)についてくじを引いて、1頭はヤハウェ(神)に、そしてもう1頭はアザゼルの為にとあり、神のため...
2018/02/27 21:22
木と木の接合と言う状況は「椀」や「盃」などの漆器ではその状況が少ない。椀の球形の部分と高台(脚)の部分を別々に曳き、それを接合して得られる対費用効果は、これを同時に一つの木片から曳いた場合の強度的...
2018/02/25 08:39
例えばパソコン画面の文字エディタで、文章の色を黒で表示している中に一部分だけ赤の文字表示を起こせば、そこは際立って見え、更にその赤い文字表示に規則性を持たせた配列をすれば、赤い文字は目立たなくなり...
2018/02/24 06:08
中国において紙が初めて作られたのは後漢時代(105年)、宦官の祭倫(さいりん)が作ったとされているが、その紙がヨーロッパに伝わったのはそれから600年後の事だった。751年、中央アジア(西トルキスタン)...
2018/02/21 08:44
1866年(慶応2年)この年、坂本竜馬の仲介で成立した薩長同盟は、一挙に討幕運動を加速させたが、この年の12月、討幕には反対だった孝明天皇が崩御、一部では討幕派の毒殺説も流れる中、翌年1867(慶応3...
2018/02/20 08:12
お茶の世界では道具の一つともなっている「棗」(なつめ)だが、その起源には二重性が存在している。.一つにはその装飾の時代的変化だが、例えば室町時代の棗には華美な装飾が施されたものが存在し乍、その後戦国...
2018/02/18 07:34
輪島塗だけではなく「椀」を見る時、職人はまず親指と人差し指で上縁付近を弱くはさみ椀を一回転させるが、これは内縁と外縁に微妙な段差が無いかを確かめる為で、どんな微妙な歪みも段差もこれで知る事ができる...
2018/02/14 06:25
人間の視覚、或いは自然が持つ数値的傾向には「三角形」が深く関与している。例えば写真や絵などで最も安定した構図を考えるなら、そこに3点で物や人物を配すると人間の視覚はこれを安定と認識し、こうした3点...
2018/02/12 07:12
私が輪島塗で独立したその日、最初に考えた事は「これで自由だ、いつでも好きな時に休めて、もう誰にも頭を下げずに済む」だった。だがどうしてどうして・・・、現実にはどんどん時間が無くなり、休めるのは葬式...
2018/02/10 08:41
古来より日本の文化はある種の独立性を持っていたが、それは大日本帝国憲法の天皇の輔弼事項でも同じことが言え、ここに「形無きもの」を誰かが所有、利用してしまう事を好しとはしない思想は、最終的には天皇家...
2018/02/08 06:31
書道など筆を使う仕事をしている人、或いは筆を使う機会の多い人は理解できるかと思うが、筆には縦と横が有り、必ず筆先が揃わずに墨が太くなってしまう横部分と、すっきり墨が付いてくる縦部分で構成されていて...
2018/02/05 07:09
多くの遺伝子はそれが由来する親の影響は受けない。従って遺伝子刷り込みを示すのは例外的なことだが、哺乳類の胎内では父親由来の遺伝子が、自分の子孫を残すために胎児の発育を促進させ、母親由来の遺伝子が体...
2018/02/04 07:09
平安時代、旅をする時持ち歩かれた「干し飯」(ほしいい)は確かに日本の弁当の起源と言えるが、おにぎりは弁当として用いられていなかった。この時代の主食である米の摂取形態は干した米、或いは蒸した米を水や...