2018/01/03 05:54

「二つの乾燥領域」

漆の乾燥温度はプラス温度側に2箇所存在する。漆は常温だと湿度が無いと乾燥しない事から唯高温な状態では逆に乾燥せず、いつまでも液体の状態のままになる。常温24度から36度、湿度60%から88%までが...

2018/01/02 06:51

「江戸っこだってね・・・」

毎年正月だけでもと思い和服を着るのだが、藍色の「小紋風」を着流して、祖父が着ていた麻の黒羽織を引っ掛け、神社へお参りに行くと、大概の人は「あんた、その格好で寒くないのか」と聞かれる。本当は寒いのだ...

2018/01/01 07:14

「平成30年・年頭のご挨拶」

  新年、明けましておめでとうございます。 BASE様の市場コンテンツに参加させて頂き、はや有余年、既存受注に追われて何とかしなければと思いながら、唯形だけ参加させて頂いていると言う状...

2017/12/31 05:31

「穢れを祓う」

本日は大晦日に付き、ホームページのブログでも掲載しました、「大祓い」の話をこちらでも掲載致します。.古来日本では、罪と言うものは本人に内在するものと言うより、「穢れ」と言うものがそれを起こさせると考...

2017/12/30 08:13

「技術の前に・・・・」

2014年現在、欅(きやき)の木地で上縁の円を変形させずに最も薄く曳いた椀木地の上縁の厚みは0・85mmだが、これが昭和55年(1980年)には0・6mmと言う薄い上縁の木地が存在した。そしてこう...

2017/12/29 05:31

「アザゼル」

もし世の中に正しいものとそうでないもの、光があって闇があるなら、今日は少し、正しくないもの、闇に付いて語ってみよう。聖書レビ記16章弟8節から10節にかけて「アザゼル」と言う言葉が出てくる。この中...

2017/12/28 07:06

「放物線の交わり」

一般的な漆器のデザイン、特に「形」は陶器の形を踏襲、言い換えれば模倣して行く傾向に有るが、この原因は製作にかかる時間の差と、それを一つの様式や美と認める「権威」が陶器を先に認証して行った歴史的背景...

2017/12/27 08:03

「角の概念」

輪島塗の世界にはこんな言葉がる。「鼻をかみすぎて血が出るような仕事」.これは基本的には「過ぎたるは及ばざるが如し」だが、もう一つには仕事に呑まれて自分を見失う事を戒めたものかも知れない。例えば吟味し...

2017/12/24 07:39

「傲慢と卑屈」

石川県立輪島高等学校創立90年の記念講演に招かれたドイツの若き哲学者は、閉ざされた所に有る者は傲慢と卑屈を兼ね備える事を指摘した。またやはりアムステルダムの通信社に在籍した私の友人は、今から20年...

2017/12/22 07:08

「野の筆筒」

「危険外来種」、若しくは「侵略的外来種」と言えば、日本では欧米から日本に入って来て日本の在来種を駆逐して行くイメージが有るが、この逆に日本の生物が海外の在来種を脅かすケースは意外と日本国内では知ら...

2017/12/21 06:32

「孔子の礼」

孔子の「礼節」はその字面を見れば虚しく見える。.悲しみや苦しみ、喜び、感謝の気持ちを形にする事はそもそも不可能な事だが、これを現す様式が人によって様々になっているのでは意思の疎通が困難になる。そこで...

2017/12/19 19:49

「偶然と運命が重なる」

雷が落ちる時、それがどこへ落ちるかは決まっていないが、実は落ちる場所からもそれが誘導されている。いわば不確定性原理の因果律と全く同じなのだが、例えば全ての手が読める将棋の名人同士が対戦したとするな...

2017/12/18 07:03

「重い五段重」

「レオナルド・ダ・ビンチ」の名画「モナ・リザ」(La Gio conda)は、実は何を使って描かれているのが分かっていない。筆なのか、また指や先を尖らせた木製のペンなのか、現代科学をしてもまったく見...

2017/12/17 10:20

「塗師小刀・5」

塗師小刀(塗師刀)に限らず、刃物はその鍛えと同じように研ぐ技量によって生きもすれば死にもする。.塗師小刀の場合、裏が微妙に凹面になっていて、これを砥石で摺り合わせて刃先に2mmから3mm幅の平面部分...

2017/12/15 08:04

「塗師小刀・4」

輪島塗の基本である下地付けに最も近いものは左官職人の壁塗りになるが、輪島塗の場合は立面では無い事、塗る面積が左官職人の領域ほど広くない事から、下地材を押さえる道具はコテではなくヘラになり、このヘラ...