2018/02/01 05:26
木は人間に良く似ている。同じヒバ材の亜種「あすなろ」にしても、傾斜がなだらかで日当たりの良い場所に有る木は成長も早く、50年もすれば直径が50cmにもなるが、急な斜面の、土地のやせた所に有る木は成...
2018/01/30 07:16
「食」と言う漢字は倉庫に集められた良い穀物の「集」、穀物の良い香りの「香」の合字で、意味は代表的なものだけでも20以上存在し、一つの「観」を形成し得る広い範囲を持つ漢字だが、一般的に我々が認識して...
2018/01/23 07:22
どんな塗料にも使用以前の液体の状態で起こる劣化と、それが塗布され乾燥した後から始まる2種の劣化が存在するが、漆に措ける塗布以前の劣化は乾燥と非乾燥の相反する劣化が有り、漆は乾燥硬化しても使えないが...
2018/01/21 09:36
芸の「手捻り」(てびねり)の一種と同じ様式の技法が有り、漆に膠(にかわ)を混ぜでそれを粘度くらいの硬さに調節し、ちょうど古典的な素麺などの麺類を製造するときと同じように、手で押して転がし乍細い棒状...
2018/01/17 07:29
カラーチャートの黒は「#000000」と表示され、これは色の3原色を混ぜた状態、全ての光の波長を吸収し反射率が0の「状態」を言い、このようなものは地上に存在しない。.従って漆器で言うところの「漆黒」...
2018/01/14 05:50
太陽は実に多彩な波長の電磁波を宇宙空間に放出しているが、こうしたことを「太陽放射」と言い、通常私たち人間がこうした「太陽放射」の中から、視覚で光として感じられる太陽放射の一部を「可視光線」と呼び、...
2018/01/13 06:52
もしかしたら輪島塗の世界だけに限らなかったのかも知れないが、輪島塗の修行に入って最初に習得しなければならない作業の一つに「しつづめ」と言うものが有り、これは荷造り作業の事を指していた。.江戸時代の漆...
2018/01/12 07:52
私が 初めて漆と言うものを認識したのは、おそらくその樹木からではなかったかと思うが、幼い頃山で皮を剥くと妙にヌルヌルする木の枝を触って、その夕方には手が真っ黒になり、翌日を待たずして全身が痒くなり...
2018/01/11 06:16
拭き漆(ふきうるし)技法は木材の表面に漆を擦り付け、それを拭き取って仕上げる最も古典的かつ基本的な漆塗り技法だが、それだけに多様性が有り、古代には色んなバリエーションを持っていたが、現代社会では品...
2018/01/10 06:13
直角三角形の直角をはさむ2辺のそれぞれの辺の長さを2乗したものの和は、その対角にある辺の長さを2乗したものと等しい・・・、これは有名なピタゴラスの定理だが、今夜は少し数学の話をしてみようか・・・。....
2018/01/09 05:47
私がまだ幼い頃、旧盆が過ぎた頃には越前(福井県)から稲刈り鎌を売る行商が来て、祖母などはそこから鎌を買っていたものだったが、稲刈りが終わると今度は越中(富山県)から行商が来て、米の収穫で多少とも懐...
2018/01/08 06:34
西暦1995年ごろから若年層の間に流行してきた潔癖主義は、細菌に対する過剰なまでの警戒感を社会的に蔓延させ、ここから「抗菌作用」を謳った商品が氾濫して来る事になるが、その傾向は現在でも衰えを見せず...
2018/01/07 05:35
人間の考え方として、何かの技術や文化に流れを付けて考える事は容易だが、近似DNA を持つ生物の間では同じ時期に同じ技術や文化が全く互換性のないまま発生する、「逆べき発生」の可能性を排除してはならな...
2018/01/05 06:42
古代日本に措ける「えと」は兄弟を指し、兄を「え」、弟を「と」と現し、例えば聖徳太子の子である「山背大兄王」(やましろのおおえのおう)などを参照にしても解るように、「兄」を「え」と発音している。「え」...
2018/01/04 06:46
昭和50年代くらいまでだろうか、輪島塗りの職人が仕事を辞める場合には、誰もが納得できる理由と言うものが必要だった。これは良くも悪くも徒弟制度の慣い、それに狭い社会が織り成す人間関係の親密さが背景に...